よしおくんの日記帳

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「三度目の実り」

      畑の草取りをしていた。ヨーロッパ等は雨が少ないので、草はあまり生えないらし
      いが日本農業は草との闘いである。有無をいわせず片っぱしから引き抜く。そん
      な作業を続けていく中、手元の動作がパタッと止った。
      禾本科(稲科)の草に混じって、稲が生えている。前から気がついていたが、いざ
      草と一緒に引き抜くとなるといかにも惜しい。
      作物というのは人間との親和性なのか、パッと見た感じ草とは明らかに受ける印
      象がちがう。もし稲ということを知らなかったとしても、「どこのどなたかは存じませ
      んが、おそらく高貴なお方でありましょう」という風情なのである。

      畑に稲が生えているといってもこぼれ種ではない。去年の切り株から茎が出てい
      るのだ。
      初秋に稲苅りをし、しばらくしたら、その切り口からひこばえが生え、私達はそれを
      又苅り取り鶏の餌にした。二度目はわずかばかりだが、既に同じ株から二度収穫
      したのである。
      そしてその後、全面耕起しないで、耕耘機に畝立て機具をつけ、いきなり畝を立て、
      キャベツ、レタス等を植えた。二条植えで畝の両側は耕されているが、真中は芯が
      残っている。即ち切り株はそのままということである。

      冬を越して、春になりキャベツ、レタスは生長し、やがて収穫。6月ともなれば収穫
      はとっくに終っている。しかし主役たちが退場した後、半年の眠りから醒め、忘れら
      れた稲の切り株からまたも茎が伸び始めた。
      熱帯生まれの稲が幾多の凍てや霜に遭い、まだ生きていて三度目の実りに向って
      いるという生命力の強さに感動せずにおれない。百姓賛歌、生命賛歌を唄いたくな
      るのは、こんな時なのだ。
      稲さんの三度目の実りが達成されますように。

      
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by kumanodeainosato | 2009-06-24 17:21 | よしおくんの農